近年、報道などでも話題になり社会問題ともなっている危険な『あおり運転運転』について警視庁は最高で5年以下の懲役にするなと罰則を強化した道路交通法の改正案をまとめ、今国会で成立すれば今年の夏にも施行される見通しとなりました。
現行のあおり運転罰則
現行の道路交通法では、あおり運転という言葉は存在せず、あおり運転を締まりとして、「車間距離保持義務違反」や「安全運転義務違反」、刑法の「暴行罪」などを適用して処罰している。
昨年1~10月の摘発件数は、なんと!車間距離保持義務違反1万2377件、刑法は暴行26件、傷害6件、強要1件などとなっている。
運転態様 | 違反の種別 | 違反点数など(普通車) |
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前方の自動車に激しく接近し、もっと速く走るよう挑発する | 車間距離不保持違反(道路交通法26条) | 一般道:1点 反則金6,000円 5万円以下の罰金(道路交通法120条1項2号) |
高速自動車国道等:2点 反則金9,000円 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道路交通法119条1号の4) |
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危険防止を理由としない、不必要な急ブレーキをかける | 急ブレーキ禁止違反(同24条) | 2点 反則金7,000円 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道路交通法119条1項1号の3) |
後方から進行してくる車両等が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような進路変更を行う | 進路変更禁止違反(同26条の2第2項 | 1点 反則金6,000円 |
左側から追い越す | 追越しの方法違反(同28条) | 2点 反則金9,000円 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道路交通法119条1項2号の2) |
夜間、他の車両の交通を妨げる目的でハイビームを継続する | 減光等義務違反(同52条第2項) | 1点 反則金6,000円 |
執拗にクラクションを鳴らす | 警音器使用制限違反(同54条第2項) | なし 反則金3,000円 |
車体をきわめて接近させる幅寄せを行う | 安全運転義務違反(同70条) | 2点 反則金9,000円 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道路交通法119条1項9号、同条2項) |
初心運転者等保護義務違反(71条第5号の4) | 1点 反則金6,000円 |
道交法改正後は?
令和2年3月3日に閣議決定された改正案では、高速道路上でほかの車を停止させるなどの危険を生じさせた場合は、最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すとしています。
あおり運転の具体的な違反行為として、通行を妨害する目的で蛇行運転をしたりクラクションを鳴らしたりすること、さらに急ブレーキや幅寄せ行為などを規定しています。
あおり運転を行った場合は、行政処分による免許取り消しの対象となり、一定期間は免許を再取得できなくなります。