警察では、運転中におけるスマートフォン・携帯電話等の使用の危険性を訴えるため、関係機関・団体等と連携して、広報啓発活動を推進しています。また、平成29年春の全国交通安全運動においても、「運転中のスマートフォン等の操作等の禁止の徹底」が全国重点に関する推進項目として設定されています。また、日本自動車工業会は、スマートフォン(スマホ)などを運転中に使用して交通事故を起こすケースが社会的な問題になっていることから、ドライバーに対して「ながら運転」防止を呼びかける広報啓発活動を展開します。
携帯電話使用等に係る交通事故発生状況(平成28年中)
1.平成28年中の携帯電話使用等に係る交通事故は1,999件発生しており、5年前(平成23年)と比較すると約1.6倍
特に、スマートフォン等の画面を見たり操作したりして起きた事故(以下「画像目的使用の事故」という。)は、約2.3倍
2.平成28年中に死亡事故は27件発生しており、そのうち画像目的使用の事故は、17件と死亡事故全体の約63.0%を占めています。
日本自動車工業会 YouTubeを通じて動画を配信 「ながら運転」の危険性と防止
運転中に2秒間目を離している隙に時速40kmの車の場合、約22mも車が進んでいるんです。
「ながら運転」による交通事故は全国で年間約5000件発生しています。
JAF 運転中の「ながらスマホ」の危険性 テスト検証動画
JAFでは「通常の運転」「メールアプリ使用」「ゲームアプリ使用」「ハンズフリー装置で通話」の4パターンで、試験を行ったものとなっています。
結果は以下の通りです。
- 運転中の「ながらスマホ」は、文字や画面を見ることに集中してしまい、急な飛び出しなどに反応できず衝突する危険性が高くなる。
- 「ハンズフリー装置での通話」も含め、「ながらスマホ」では視線は前方の狭い範囲に集中し、上下左右に配られない。そのため、信号や一時停止を見落とすことが多くなる。
- ブレーキや発進のタイミング、ウインカーの遅れなど、運転操作に影響を及ぼし、周囲に危険を与える。
- 周囲の情報(他者(車)や死角等)を認知するために一瞬の目視確認は必要であるが、運転中にスマホ画面を見たりスマホ操作することで正しい運転操作はできなくなる。
条文・罰則等
1・道路交通法
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
2.罰則等
(1) 携帯電話使用等(交通の危険)
罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反 則 金 大型12千円、普通9千円、二輪7千円、原付6千円
基礎点数 2点
(2) 携帯電話使用等(保持)
罰 則 5万円以下の罰金
反 則 金 大型7千円、普通6千円、二輪6千円、原付5千円
基礎点数 1点
まとめ
しかし日本自動車工業会で2016年に実施した運転中の携帯・スマホなどを利用する「ながら運転」に関するアンケート調査の結果では、年齢や性別問わず、約70%にも及ぶドライバーが「ながら運転」を行っていることも明らかになっています。走行中に携帯電話などを使用したり、カーナビに表示された画像を注視したりすることにより、周囲の交通の状況などに対する注意が不十分になると大変危険です。走行中は携帯電話などを使用したり、カーナビなどに表示された画像を注視したりしてはいけません。また、スマホや携帯電話などについては、運転する前に電源を切ったり、ドライブモードに設定したりするなどして呼出音が鳴らないようにしましょう。どうしても携帯電話などを使用しなければいけないときは、必ず安全な場所に停車してから使用するようにこころがけてください。